子供たちが元気学園にきて、かわっていくのはなぜかというと、
「ちょっとした遠慮」があるからです。
寮生活だからこその効果だと思います。
不登校や引きこもりの原因の一つに、家と社会との温度差があります。
家では、同級生に気兼ねしなくていいし、お母さんはうるさくても何でもしてくれてます。
でも、外の世界は違います。
自分のできないことには、他人にお願いしてやってもらわないといけないし、気は遣って疲れるし、できないと恥ずかしいし、バカにもされるし。
そうした、心地よいぬるま湯のような家庭と、気疲れする外の世界の温度差に、子供が耐えられないと言って、家に逃げ込んでいます。
その家と社会との温度差を埋めているのが、元気学園の生活です。
人に良く思われたい、こんなこと言ったら、嫌われるかな。
これを人前でしたら行儀が悪いよね。
本心、本音が、全部でてしまったら、うまくいかないことも、「ちょっとした、遠慮」が、それにストップをかけてくれます。
ちょっとしたというのがポイントで、すごい遠慮、すごい緊張では、3日と持ちません。
だから、続く程度の「ちょっとした遠慮」ができる環境が必要なのです。
分かりやすく言うと、「ちょっといい格好」をする。
これが、子どもを大きく成長させてくれるのです (´▽`)。
親は、子どもにとって、心がどこかに行ってしまわないように壁にならなければならないときもあれば、失敗したときに身を守ることができる安全地帯でもあります。
家では良い子で、逆に外での態度が本音。
となっていくと、家と外の関係に、ねじれが生じてしまいます。
また、逆に、世間の厳しさを子どもにぶつけすぎても、「イヤ」と拒絶反応をおこします。
本人の能力を超えた要求をすると、ただただ現実逃避。まず、取り組もうとしません。
だから、「外でちょっといい顔をして、家ではのびのび。」というのが理想。
子たちにとって、元気学園は、世間ほど厳しくないけれど、やっぱり何でも好き勝手にできる家とは違う存在。
立場が違うものである元気学園と家庭が、子どもの成長という一つの目的に向かって、互いにそれぞれのバランスをとりながら、両輪となって、足並みをそろえて進むことができると効果は絶大となります。
この、「ちょっとした遠慮」が、学校や社会へ出る予行演習となり、自分と同様に他人の心があるということを理解し、相手に対しての思いやりの心を育てていくのです。