漏斗胸といって、胸がロートのような形になって陥没したように見える疾患があります。
男女ともにおこりますが、男子に多くあらわれます。
これは、鳩胸の逆の形です。
鳩胸は、骨が伸びて外に開く形、漏斗胸は骨が中側に伸びる形で、正反対の現象ですが、骨の向きが違うだけで原因は同じです。
体調不良を伴う、不登校の中には、背骨のゆがみ(側弯症)と、胸郭変形の子どもが多く、医師との協力のもとに様々なケースをみてきました。
漏斗胸を含む胸郭変形の場合、体の内側に入り込んだ骨格が中にある臓器を圧迫することがあります。
そこにあるのは、心臓や肺など体の大・大・大重要な臓器です。
骨が押すことで、心臓や肺の働きを阻害することがたいへん大きな問題です。
実際に、血液の中の酸素の量を測定すると、低い数字がでてくることがあります。
体に酸素が十分に行き渡らない状態ですから、頭がぼーっとするとか、集中できない、だるい、機嫌が悪いなどとして表れます(これでは、本人はたいへんです)。
ゴキゲンが悪いのは、心の問題と、とらわれがちですが、実際は、体の問題なのです。
漏斗胸は、重症の場合手術することができ、育成医療の申請で18才未満では国が手術費用を補助してくれます。
しかし、大半は、手術するほどの程度ではない軽度の骨格変形で、手術して劇的に改善できるのは、ある意味幸せかもしれません。
(しかし、手術後の体の使い方(姿勢)が悪いとまた同じようになってしまうことがあるので要注意です)
漏斗胸を含む胸郭異常は、多くの親御さんが、気づいておらず、ただ、姿勢が悪いと思っていることが多いです。
しかし、臓器への圧迫という問題が隠れていることがあり、それには対策が必要です。
その体調不良は、
○運動訓練をして、心臓のポンプの力を強くする。
○しっかり食べて、骨格を大きくする。
という方法しか、解決できないので、元気学園では、大いに運動訓練を取り入れ、寮生活による食事や生活の管理をして、成長期という可能性をいかし、効果を最大にもっていきたいと取り組んでいます。
(元気学園と大学との共同研究の結果:1か月で顕著に、食欲の増進と、心臓のポンプの増強が見られています。:運動療法による不登校の心と体)

不登校問題についていうと、学校に戻るためには、勉強の問題が大きく、体を直しただけでは、学校復帰は難しいです。そこで、元気学園では、余った時間を学習にあてています。
受験シーズンに良い結果がでているのも、体と脳の両方のアプローチの成果でしょう。
うまくいくと、元気学園に来る前とは全く違う人生。ニコニコです(^-^)。