学校に行きたがらない子を、数日だけ学校に行かせるのは、そう難しくありません。
調子に乗せて、やる気にさせるだけならば、ちょっとしたテクニックでできるから、それくらいは、簡単なことなのです。
でも、しません。
なぜ、それをしないか?
理由は、さらに傷を深める結果に繋がっていくからです。
学校に行き始めて、最初は、みんなが気を遣ってくれます。
でも、そのうち、まわりからの特別扱いがなくなって、勉強も運動も、集団活動も、同級生と同じ事を同じようにするように、当たり前の要求が始まります。
そして、2週間ほど経ち、慣れてくると、まわりが本当のことを言い出す。
同級生同士は、ライバルだから、良いことも悪いことも、厳しいこともあります。
そうなると、また、学校への行き渋りが始まります。
こうして、行ってはうまくいかないを、度々繰り返していると、浅い傷も深くなっていきます。
引きこもりは、一度でなるものではなく、何度か外に出て行って、バシンとやられてを繰り返して、そのたびに、嫌な思い、疎外感、自分の思い通りにならないことへの苛立ちから、引きこもっていくのです。
だから、ちょっと元気になっただけで実力をつけずに、今までうまくいかなかった場所に出て行くというのは危険信号です。
付け焼刃の対処ではなく、将来二度と同じ事を繰り返さないような実力、物の考え方を身につけることが、その時は、少し時間がかかるような気がしても、長期視野でみると、最短コースでの解決方法になります。