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4年制高校って、どういう意味?

4年生高校!?

学生の頃、友達と話をしていて、「うちは4年制高校だから。」というので

「何、それ?」と聞いたところ、
「神奈川県の地域では一番の進学校なんだけど、のんびりしていて、3年じゃ足りなくて、あと1年浪人して、みんないい大学に行くんだよ。」
と言っていました。

そのころは、浪人という概念は全くなかったので、この話を聞いたときは驚き!

高校は、地方の公立高校で、私たちの学年は、国公立現役合格率全国1位だということでした。
だから、普段から、東大京大が無理でも、浪人せずに、どこか国公立に現役で入った方が良い、それが親孝行でもあるし、自分の為でもある。といった考え方が主流だったような気がします。
ちょうど、東大京大のW受験ができるという過渡期の時期で、1年間NHKが取材にきていました(あっつ、ここに映ってるね~なんて言ったりしながら)。

こんな環境にいたので、浪人するということは、全く選択肢になく、考えずにきたので、最初から浪人を覚悟していて、3+1の4年間で受験を考えていると聞いたときには、目からうろこ。
「なるほど~。そういう考え方もあるんだ。」と、しきりに感心しました。

現時点の実力と、希望との差が大きい場合

今、こうして不登校の子どもたちの指導をしていて、
何年も学校に行っていなかったり、行っていたとしてもずいぶん勉強が遅れている子供たち、また、精神的に幼さがある子どもたちについては、学年通りというのは、ムリがあるのかなと感じることがあります。
特に、現時点の実力と、希望との差が大きい場合です。

時間をかければ、達成することも、急がせると、形になりずらいというのがあります。
うちの子たちを見渡すと、焦らせた途端、急に、今までのペースが止まってしまう子の多いこと・・・。
また、あまり、ムリをさせすぎると、また子どもをこわすことになってしまいます。
子どもの伸び代を考慮に入れながら、考えていかなければなりません。

学校を休み始める前段階(不登校になる前)の年に戻って

子どもたちは、元気学園にきてから、猛スピードで、体の成長も、学力の成長も、精神的な成長もしているのですが、入学地点での実力と、同級生との差の開きを埋めるのは、そう簡単なことではありません。
すぐにそうなれる子もいれば、そうでない子もいる。
元気学園への入学時の実力に依存するところが大きいです。
不登校になる原因の一つの学力不足は、かなり大きな問題です。
学力をはかるには、休み始めてからより、その前。
学校を休み始める前段階(不登校になる前)の1年を考えてみてください。
「授業を受けても、理解できない」という問題を無視しては、次の課題については語れません。

締め切りから逆算してスピード上げてはだめ

その問題を解決するには、時間をかけて教えることが最適。 子どもが理解できることを、こつこつ教えて、学力を定着させるしかないのです。 スタッフとしては、締め切りの日程を決めて、逆算して予定を立て、そのスピードで教えたい!と思ってしまうのですが、そうすると、本人の体と心が逃避モードに。 言葉では、頑張ります!頑張りたい!というのだけれど、行動が違うというのは逃げている証拠。 逃げてしまっては、教育自体が成り立ちません。 だから、こういうタイプについては、本人のペース(=理解して、前に進む余力があるスピード)にあわせて進めることにしています。

同級生と比べない

親御さんの立場としては、同級生がマーカーでしょうから、比較は常に同級生。
子供の成長を待つのはつらいものだと思います。
スタッフだって、焦っている親の気持ちを受け、イライラしている本人をみて、それでも、今できることを教えていくのはとてもつらいのです。

でも、思春期の教育問題は、長期的視野が必要です。
生きている限りその能力を使うのですから。
教育は財産です。

同級生から、少し遅れることがあったとしても、しっかり勉強を教えてもらえる環境があり、会話や協力する事の練習ができる仲間がいて、本人も努力しているのであれば、考えようによっては、数年の遅れは、80年の人生だとすると、最短コース。
大人になってからが長いんです。

焦らず急げ!

働けない、働こうとしない、仕事が続かないということが起こったら、この先何十年という時間、ずっと、親は子を扶養することになります。
また、出会う相手も、働く場所も、受けた教育によってずいぶん違いがあります。

だから、中高生の抱えている問題は、いずれ親、きょうだいの大問題となるかもしれない問題を防ぐこともできるし、今までとは違う明るい未来を拓くこともできるので、受験生とその親御さんは、今の、わが子の実力が、同級生と比べてどうなのかを正しく知り、今後のことを考えていければよいかと思います。

そういうわけで、元気学園の合言葉は、「焦らず急げ」なのです。

写真は、日本平キャンパス入口にある楠。楠には、神様が宿るといわれているそうです。


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