不登校、教育の成果:逃げない姿勢
大学生が自宅から通っている実習先でうまくいかなくなって休んでしまって、家で困らせていると連絡が入りました。
そこで、対処し、次の日からにこやかに出かけて行きました。
これだけでも、すごいことです。
相手の要求に応えられるようになるには、まだ時間が足りないといったところの見切り発進だったので、うまくいかないのは、想定内のこと。それは、実力が十分でないので、もう少し時間をかけて実力をつけるために努力するしか有りません。実力はすぐにはつかないので、今後の課題です。
しかし、そこで、「元気学園の先生なら助けてくれる」と思ったから、連絡をして、助けを求め、そして、次の日から出かけていけるというのは、「信頼」という気持ちがあるからです。人を信頼する気持ちが本人に芽生えたのです。
もし、1年前なら、こういう事態になったとき、もう二度と行かない、学校も辞めると言って、会話が成り立たなかったと思います。成長を待つために、1年浪人するという形をとったのは正解でした。
人を信頼できるから、「この人が助けてくれるのなら、もう一度やってみよう!」と思え、恥ずかしい、イヤだなという気持ちを抑えて、勇気をだして出かけて行けたのは、素晴らしい成果だと思いました。
さらに、話が続いて、
2日ほどは、行ったのですが、「注意して観察し、それを表現する」という苦手なところを指摘されて、またまた休んでしまいました。
本人は、ずいぶん落ち込み、家でも困らせたようですが、お母さんに電話でアドバイスする程度で、しばらくすると、学園に戻ってきました。
それには、大きな成長を感じました。
どんな人でも、レベルが上がっていけば、うまくいかないこともあるし、失敗することもある。
でも、その時に、
「はやく機嫌をとりもどす」
そして、「いつも通りの生活をする」という元の場所にもどることができることが一番大切だと思います。
取り直す力、ということを、今まで教えてきました。
それが、できた。ということが、何にも増して素晴らしいと思いました。
嫌な事があっても、すぐに普通の生活にもどることができるようになれば、必ず道は開けます。
取り直せない人が、不登校となり、休んでいる間にさらにまわりから遅れていって、どうやっても追いつかない、バツが悪いと思うと、引きこもりになりと、つながっていくのです。社会に出たら、学生以上にもっと重要な事です。
元気学園では、「ご機嫌は15分で直そう」といつも言っています。
学校にいれば、嫌な事もあるし、気に入らないこともある。でも、それを引きずらず、休み時間の15分で、ご機嫌を直すことができれば、大きな問題にはなりません。
怒り出すと止まらない、泣き出すと止まらない、不機嫌になると、何日も続いてしまうというのは、大・大・大問題です。
不機嫌な人のまわりからは、人が逃げていきます。
こうして、すぐに立て直して、決して「逃げない」ということを学んだのですから、これからは、逃げなければ、次第に力もつくし、人からも信用されます。
問題解決能力を得たということです。
今居るこどもたち、新しく出会う子どもたちが、このような力を身につけ、自分の人生から逃げずに、幸せになって欲しいです。

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