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関連講座 NO.7 生分解性プラスチック

身の回りにある現象で、知ってるけど、うまく説明できない。考えると、よく分からない。
こんな「?」を、博い知識を有している学園長が歴史や文学なども交えながら、小学生から理解できるように面白く、そして分かりやすくお話してくれています。
それを、生徒たち(元気学園大学生チームがメインとなって)が、文章にして、絵や図の解説をつけました。

NO.7 生分解性プラスチック

今回は、「分解されるプラスチック」についてお話ししましょう。
プラスチックというと、皆さんの身の回りにはどんなものがあるかな?
例えば、筆入れやバインダー、ペットボトルなど。
ペットボトルは、ポリエチレンテレフタレート(Poly-Ethylene-Terephthalate)という物質で出来ています。だから、その頭文字をとって「PET」ボトルというんだよ。
皆さんの着ている服だって、プラスチックでできたものも多い。
プラスチックは、入れ物を作ることも出来るし、繊維状にすれば服を作ることも出来る。だから、身の回りにたくさんある。
では、そのプラスチック製品がいらなくなり、ごみになってしまうと、どうなるだろう。
生ゴミは、庭に埋めておいてもいつかは腐って無くなるね。
けれど、プラスチックは、埋めておいても腐らない。ゴミはどんどん出てくるから、埋めてもたまっていってしまう。


さらに、もっと困ったことがある。
海に捨てられた漁網などのゴミを、魚が間違えて食べてしまうことがあるんだ。
海の魚を解剖してみると、そういうものが結構出てくる。
消化器で分解することができないから、だんだん蓄積して死んでしまう。
また、川に捨てられた釣り糸に、小鳥が絡まって死んでしまうこともある。
そうやって、プラスチックのゴミは、人間だけでなく、動物たちにも被害を与えてしまう。
腐らないで残ってしまうということは、プラスチックの利点のひとつ。けれど、環境にとっては大変困ったことで、何一つ良いことはない。
なら、消えて無くなってしまうプラスチックがあればいいね。
そうやって、開発されたのが「生分解性プラスチック」というもの。

生分解性の「生」とは、生物のこと。
生分解性プラスチックというのは、生物によって分解されるプラスチック、という意味。この生物とは、細菌類のことです。


そもそもプラスチックってどういうものなんだろう。
プラスチックは、高分子化合物。
高分子というのは、分子量が大きいということ。高校で化学を取ったら習うかな?
たとえば、水(H2O)の分子量は、1×2+16=18。
高分子化合物の場合は、この値が1万とか、10万なんだよ。
このような物質は、天然ではタンパク質・デンプン・天然ゴムがそう。
人工では、ポリエチレン・ポリプロピレン・ナイロン・合成ゴムなど。
魚屋さんで使うクーラーボックスも、ポリスチレンという高分子化合物で出来ている。
天然の高分子化合物は、土に埋めると腐って無くなる。
生の肉を放っておくと腐ってしまうね。これは、菌が肉に含まれるタンパク質を食べて、酵素で分解しているから。
この時に毒素がでるので、腐ったものを食べるとお腹が痛くなる。悪ければ中毒になります。

けれど、ポリエチレン・ポリプロピレンといった人工のものは、昔から地球上にあったのではなく、人間が勝手に石油などから合成して作ったもの。
だから、分解する酵素がない。
土に埋めておいても、誰も食べてくれないということ。


ただ、石油を食べて生きる菌というのは存在しているようです。
石油は地面の中に埋まっていますが、これが沢山存在している場所には、石油を食べてタンパク質に分解して生きている菌がいます。
石油に限らず、硫黄や鉄など、何かが沢山存在するところには、それを食べて生きる菌が必ずいます。

余談ですが、昔、石油を食べる菌が作るタンパク質を、ブタの餌にしたらどうか、という計画があったそうです。
そうすれば、石油からブタの餌が作り出せるので、お得だね。
けれど、問題があった。石油には発ガン性物質が含まれていて、分解されてタンパク質になってもそれは残ってしまうんだ。
ということは、それを食べたブタの中に発ガン性物質がたまり、肉を食べる人間に害があるかもしれない。とても危険だね。
それで、この計画は無しになったんだよ。


つまり、生分解性プラスチックとは、細菌が食べてくれるプラスチックだということです。
代表的なものは、ポリエステル。
エステルという物質が沢山繋がって出来ています。
エステルとは、酸とアルコールから水がとれて出来る化合物の総称のこと。エステル結合は、自然界に沢山存在している。だから、これを食べる細菌もいる。
ポリエチレンは、エチレンという物質が沢山つながってできている。
エチレンというのは、水素二つとつながった炭素同士が、二重結合した格好をしている。
人間には腕が2本しかないのだけれど、炭素には4本有ります。これは高校の化学で習いますね。
だから、水素二つとつながっても、腕が2本余る。その2本で別の炭素とつながるのです。
この二重結合の腕の一本を、また別のエチレンの炭素とつなげる。それをどんどん繰り返し、沢山つながったのがポリエチレン。
こんな物質は、もともと自然界に存在しないので、分解することが出来ません。
だからポリエチレン製の物は、すてても分解されずに残ってしまう。
それなら、身の回りの全ての物を、生分解性プラスチックで作ればいいじゃないかと思うよね。
でも、現実はそう簡単にはいかない。
生分解性プラスチックは、とてもコストがかかる。そのため、皆安くて便利なポリエチレン等にいってしまい、なかなか普及しない。
環境配慮のための画期的な発明である生分解性プラスチックなのだけれど、本当に役に立つためにはまだまだ大きな課題があるのです。

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