関連講座 NO.14火薬の話

身の回りにある現象で、知ってるけど、うまく説明できない。考えると、よく分からない。
こんな「?」を、博い知識を有している学園長が歴史や文学なども交えながら、小学生から理解できるように面白く、そして分かりやすくお話してくれています。
それを、生徒たち(元気学園大学生チームがメインとなって)が、文章にして、絵や図の解説をつけました。

NO.14火薬の話

今日は、花火についてお話ししましょう。
夏に、みんな花火をやる。
いろいろな色や模様で、とっても綺麗だね。
でも、どうしてこんなに様々な色が見えるのだろう?

実は、花火の色は、金属を燃やしたときに出る色なんだよ。

金属は、銅・鉛や、ニッケル・クロムの他、ナトリウム・カリウムなどがある。
これらを燃やすと、それぞれ違った色が出る。
この現象は、難しい言葉で「炎色反応」というんだよ。
塩を燃やすと、黄色い炎が出る。これは、塩に含まれているナトリウムの色。
ルビジウムやリチウムを燃やすと、赤い炎が出る。

花火は、金属の粉を仕込み、火薬を詰め、周りを和紙で包む、という仕組みになっている。
この金属の粉の組み合わせで、様々な色や模様を表現するんだね。


じゃあ、何故金属を燃やすと、いろいろな色が出るんだろう?
これは、詳しく話すととても難しいので、簡単に説明するね。
原子というのは、原子核の周りを、電子が回っているという構造。
この電子の軌道や数は、原子の種類によって違う。
この原子に熱を加えてみると、外側を回っていた電子が内側に来たり、内側を回っていた電子が外側に行ったりする。
軌道が変わると、エネルギーが余り、光が出る、ということ。

次に、花火の火薬の話をしましょう。
一番簡単な火薬は、皆さんもよく使っているマッチ。
火薬には、硝酸が含まれている。
硝酸の化学式はHNO3。酸なので酸味があるのだけれど、危険なので舐めたりしてはいけません。
硝酸は、アンモニアを空気(酸素)と反応させて作る。
そのアンモニアは、窒素と水素をから作ることができるのだけれど、難しい技術を必要とするため、なかなか成功しなかった。

水素は、水の電気分解をするか、天然ガスを酸素と一緒に分解することで得られる。
窒素は空気中にいくらでもあるね。


ダイナマイトという火薬を知っていますか?
これには、グリセリンと硝酸の化合物である、ニトログリセリンが使われている。
グリセリンというのは、油の成分。油は、グリセリンと脂肪酸で出来ています。
ニトログリセリンは強力な爆薬なんだけど、液体なので、とても扱いづらく、少しの刺激で爆発してしまうこともあった。
そこで、このニトログリセリンを、珪藻土という、砂のような物にしみこませて扱いやすくした。これがダイナマイト。
このダイナマイトを発明したのは、スウェーデンのノーベル。
120年くらい前に活躍した人で、火薬工場を経営し、莫大な財産を築いた。
けれど、このダイナマイトは、鉱山だけでなく戦争にも使われ、たくさんの犠牲者を出した。そのことに心を痛めたノーベルは、遺言で、「自分の莫大な遺産は、今後人類のために貢献した人物に、賞の形で与えてほしい」と書き残した。

こうしてつくられたのが、ご存じノーベル賞。
ちなみに、第一回物理学賞受賞者は、X線を発見したレントゲンです。
病院で、レントゲン写真を撮ったことがあるかな?


アンモニアの作り方を考え出した人物も、ノーベル賞を貰っている。
ドイツ人の科学者のハーバーとボッシュという人で、1913年に開発した。
ハーバーは触媒、ボッシュは高圧技術を発明した。高圧技術というのは、「ルシャトリエの法則」を応用したもの。高校で化学を取った人は習うかな?
アンモニアは、火薬の他、肥料の硫安(硫酸アンモニウム (NH4)2SO4)の原料にもなるため、二人は、この功績によりノーベル賞を受賞した。

この技術が出来る前は、チリの砂漠でとれるチリ硝石を原料にしていた。
これは硝酸ナトリウム(NaNO3)で出来ている。
けれどこれは資源なので、永遠にあるわけではなく、取り続けていると枯渇してくる。
だから、空気と水から肥料を作り出すことの出来るこの技術は、とても重宝された。

ところで、1913年ってどんな年か分かるかな?そう、第一次世界大戦が始まる前の年。
この戦争は、セルビア・ロシア・フランス・イギリスの同盟と、ドイツ・オーストリア・イタリアの三国同盟が行った戦争で、ドイツのウィルヘルム二世が起こしたと言われている。
きっかけは、ボスニア・ヘルツェゴビナでオーストリア皇太子が暗殺された、いわゆる『サラエボ事件』。
怒ったオーストリアは、戦争を仕掛けようとして、ドイツに助けを求めた。
ドイツはそれに対し、「火薬はあるか?」と、聞いたという。
オーストリアは、「空気と水から火薬は出来ます」と答えた。そうか、なら戦争を始めよう、と、ウィルヘルム二世は開戦を決定したと言われている。ほんとかな?

終戦後、ヴェルサイユ条約が結ばれ、ドイツのアンモニアの技術は公開された。
おかげで、日本でも肥料が作れるようになり、その為にたくさんの企業が興った。
現在日本で活躍している会社の中にも、もともとアンモニアを作るために作られたものが多いよ。


日本においては、戦国時代に、ポルトガルから種子島へ鉄砲が伝わった。
日本の歴史の中でも有名なところだね。
けれど、日本人が火薬を見たのは、実はこれが初めてじゃない。
いつだかわかるかな?そう、元寇の時だね。
火薬(NaNO3)というのは、もともと中国人が発明した物。日本人も、13世紀の弘安の役・文永の役の時に初めて火薬を見た。

ここで歴史の話になるけれど、この元寇の時に、九州の竹崎季長という武士が、元を追い払うために活躍した。
鎌倉時代の武士というのは、自分の土地を得るために命を賭けて戦う。そのことから「一所懸命」という言葉が生まれた。無事、元を追い払い、手柄を立てた。本当なら、幕府から褒美として土地がもらえる。
しかし今回の場合、勝っても相手の土地を得たわけではない。だから褒美として与えられるものが無く、武士達はなにももらうことが出来なかった。
当然、武士達からは文句が来た。
竹崎季長は、「蒙古襲来絵詞(もうこしゅうらいえことば)」という絵巻物を作り、自分の手柄を幕府に訴えている。
この絵巻物の中に、鉄砲が描かれています。


火薬の他にも、紙・羅針盤などは中国の発明。

今では、西欧の方が化学が進んでいるけれど、この時期は、中国の方が遙かに進んでいたんだね。

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